どのような手順で退職すればよいのでしょうか?
大企業でも中小企業でも退職する大きな手順は変わりませんが、企業によっては退職に必要な書類があります。
今回は大企業をやめたいと思って悩んでいる人に、実体験を通して辞め方と辞める際の注意点を紹介します。
自分は今の職場を退職出来ないのではないかと不安に思っているあなたに『退職することは可能です』と言うことを理解して頂けたら幸いです。
大企業を辞める手順と体験談
大企業を退職手順と実体験を紹介していきます。
大企業だからと言っても辞める手順は大きく変わりませんが、実体験を元にまとめていきたいと思います。
どの企業でも同じになるとは限りませんが、似たような手順が退職には必要になります。
- 上司に退職の意思を伝える
- 上司と面談をする
- 上司+元上司+元上司での面談
- 部長と面談
- 退職面談シートを作成
- 人事と面談+保険代理店との面談
- 業務の引き継ぎ
- 親しい人に個別で退職のあいさつ
- 職日に部全体への退職のあいさつ
- 世話になった人へあいさつメールの送信
- 社員証と保険証を社内便で人事に送付
- 退職
12ステップを踏んで、退職するまで1か月半をかかりました。
退職時は2か月程度を見ておくと、有給消化も含めてスムーズに退職が出来ると思います。
1.上司に退職の意思を伝える
どの会社でも辞める為の第一歩は上司に退職の意志を伝えることです。
直属の上司に一番初めに伝えましょう。
職場の組織によって呼び方は変わると思いますが、あなたの仕事を管理している身近な上司に伝えましょう。
退職の決定権を持っていない上司だとしても、円滑に退職の手続きを進めるには身近な上司に一番初めに伝えるのが余計なトラブルを避けることに繋がります。
人事に直接退職したいと伝えるのは避ける
上司より先に人事に退職の相談をするケースを耳にしますが、上司に先に伝えるのがベターです。
人事に先に伝えたとしても、人事からは直接上司と話すように促されることが多いです。
問題を抱えた職場環境ではない限り、人事に直接相談することは避けましょう。
身近な上司があなたの退職を知らずに人事や部長などに先に情報が行くとあなたの身近な上司に「〇〇さん辞めたいみたいだけど聞いてる?」といった確認が発生しややこしい事態に発展しかねません。
退職を伝えるタイミングは上司と二人の時にする
周りに人がいる状況で退職を伝えるのは、円滑に退職を進めにくくなりますので注意してください。
上司と二人になるタイミングを見計らうか、上司に『話があります』と伝えて二人になる時間と場所を確保してください。
退職を伝えるタイミングについては下記の記事に詳細を書いていますので、参考にしてみてください。
退職願を出すタイミングと切り出し方は戦略的に引き留めに備える【退職願の出し方を紹介します】
2.上司と面談をする
上司に退職を伝えたあとも、1時間ほど面談をして下記項目を確認されました。
退職面談シートに記載することを含めて色々聞かれましたが、大企業だから強引な引止めがないと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
大企業、中小企業に関係なく引止めが強引かは上司の性格によるものだと思います。
実際に私が上司と面談した際に聞かれたことについて紹介していきます。
回答例と注意点も紹介しているので、是非とも参考にしてみてください。
- 退職したい理由はなぜか?
- どんな条件が満たされれば退職しないのか?
- どうやったら退職を考え直してくれるのか?
- いつから退職を考えたのか?
- 転職先は決まっているのか?
- いつ面接を受けに行ったのか?
- いつ頃から転職活動をしたのか?
- 家族は転職に賛成しているのか?
- 大企業を辞めることはもったいないと思わないのか?
- ほかの人に退職のことは相談したのか?
- 転職先を見つける前になぜ相談してくれなかったのか?
退職したい理由や、転職活動状況について確認と引き留めがメインでした。
この質問はどの企業、どの上司も同じようなことを退職時に聞かれると思います。
退職時に確認される項目を事前に知っておけば、ゆとりを持った気持ちで上司の引止めに対応できると思います。
a.【解答例と注意点】退職したい理由はなぜか?
解答例は『やってみたい仕事があり、今の会社では出来ないので転職したい』です。
注意点は上司の権限で改善できる理由はNGです。
NG理由は『退職した理由を改善するから残って欲しい』と言う引き止めに繋がるからです。
私も『やりたい仕事があるので転職します』と上司に伝えましたが、理由としては不十分だと思いました。
『じゃあなぜこの会社に入社したんだ?』と言われて反論できませんでした。。
大企業の場合、人間関係や業務内容、残業時間が退職理由だと伝えると部署異動や待遇改善を打診されることもあります。
部署異動や待遇改善で転職しなくても希望の条件で働くことが出来れば良いのですが、上司が引止め時に提示してくる条件は引止めの口実でしかない場合もあります。
上司は引止めに必死になり、自分の権限を越えた条件を退職者に提示することもあり得ます。
特に部署異動については、引止め時の口約束のみで実行されない可能性もあるので、転職先が決まっているならカウンターオファーは断ることをお勧めします。
b.【解答例と注意点】どんな条件が満たされれば退職しないのか?
回答例は『もう転職先も決まっており、今から気持ちが変わることはありません』です。
注意点は、考え直す余地はないことをしっかり伝えることです。
退職の引止めの為に、退職者に好条件を提示するのがカウンターオファーと呼ばれています。
カウンターオファーは上司が引き止めようとする時に、必ずと言っていいほど持ち掛けてきます。
しかし、上司が引止めの為に提示しているだけでカウンターオファーの実現しないこともあります。
転職先も決まっているのであれば、カウンターオファーがあっても断ることを勧めます。
c.【解答例と注意点】どうやったら退職を考え直してくれるのか?
回答例は『今から気持ちが変わることはありません』です。
注意点は、考え直す余地はないことをしっかり伝えることと、引き止めたい上司の立場も考えることです。
転職先も決まているので、どんなに引き止められても気持ちは変わりませんと伝えました。
しかし、上司の立場も考えて、全否定のような言い方をするのはNGです。
上司の感情を逆なですることなく、気持ちが今から変わることはないことを伝えることがコツです。
時間がかかることもありますが、根気強く気持ちが変わらないことを伝えるしかありません。
d.【解答例と注意点】いつから退職を考えたのか?
解答例は『半年ほど前に先輩が退職したときから考え始めました』です。
注意点は退職を考えた時期を半年以上前と回答し、しっかり考えたうえで退職することにしたということも伝えることです。
退職理由が短絡的なものではなく、考えたうえでの結論ということを伝えることが重要です。
職場をマネジメントする上司としては、退職を意識した時期や理由を知ることは、今後の人の流出を抑えるためには必要なことです。
上司のため、職場のために退職の原因になったことがあれば、話しをして対策に努めて貰いましょう。
e.【解答例と注意点】転職先は決まっているのか?
解答例は『転職先は決まっています』です。
注意点は上司に転職先は教えないことです。
上司に転職先を教えても構いませんが、教えるメリットはありません。
転職先を教えることで『そこに転職するくらいならなら絶対辞めないほうが良い』と引き止められる可能性もあります。
特に、大企業から中小企業に転職すると伝えた場合はかなりの確率でやめたほうが良いと言われます。
引止めの理由にされることもあるので、転職先を教えることは控えておきましょう。
f.【解答例と注意点】いつ面接を受けに行ったのか?
回答例は『先月の休みの日に受けてきました』です。
注意点は『2~3か月前から複数社を受けてやっと内定が出ました』と言うようなことを伝えると、妥協して転職先を決めたのではないかと思われる可能性があります。
自分の希望する会社から内定を貰えていること伝える為に、複数社の受けていたとして複数企業に応募したことは伏せておいた方が良いでしょう。
g.【解答例と注意点】いつ頃から転職活動をしたのか?
回答例は『半年前からです』です。
注意点は、上司との面談時に相談してくれなかったことについて聞かれた時は謝るしかありません。
人事考課の為の面談が半年に1回あったのですが、面談で相談しなかったことに上司から咎められました。
『仕事を辞めたいと言うのは言いにくかったです』と伝えました。
この質問の目的は、退職者が増えないようにするための防止方法を上司が考える為です。
引き留めには繋がらない質問なので、難しく考える必要はありません。
事実をそのまま伝えも問題ありません。
h.【解答例と注意点】家族は転職に賛成しているのか?
回答例は『家族も転職に賛成しています』です。
この質問は必ず家族が転職に賛成していると回答してください。
注意点は家族の同意を得られていないことを伝えることです。
この質問の目的は、家族が反対しているなら引き留めの余地があるのではないかと言うとこを上司が探ろうとしています。
家族が反対しているなら説得できると思われないようにしましょう。
i.【解答例と注意点】大企業を辞めることはもったいないと思わないのか?
回答例は『今よりもやりたいことが出来るので思いません』と言い切ることです。
自分にはやりたいことがあり、転職することでしか成し遂げることが出来ない理由を伝えましょう。
注意点はもったいないと思っていると言うことです。
『転職しなくても、今の会社で実現出来るなら絶対転職しない方が良いよ』と言われると言い返しに苦しくなります。
スキを見せてしまうと、引き止められると思われるので注意しましょう。
j.【解答例と注意点】ほかの人に退職のことは相談したのか?
回答例は『社内ではだれにも相談していません』です。
注意点は相談している人の名前を挙げることです。
相談者がいたといても名前は伏せませしょう。
名前を挙げることで迷惑を掛けることもあるので注意が必要です。
この質問の目的は、職場の人間関係に問題があったのかを確認することです。
職場内で相談が出来る環境の有無を確認しています。
k.【解答例と注意点】転職先を見つける前になぜ相談してくれなかったのか?
回答例は『申し訳ございません』です。
注意点は信頼出来る上司じゃないから相談しなかったと思われないようにすることです。
言い訳のようなことを言ってしまうと、深堀されたことを質問されると答えるのが難しくなります。
余計なことを言わない為にも『申し訳ございません』で逃げ切りましょう。
3.上司+元上司+元上司での面談
上司が1~2年程で変わっていたため、元上司も交えて面談の機会がありました。
これは会社ならではの手続きと言うよりは、上司の判断で実施することになりました。
リモート会議+対面で1時間の面談をしました。
自分だけでは引き留めが難しいと思い、増員体制での引き留めの場を設定されたということです。
上司との個別面談と同様に辞めたいと思った理由についての質問がありました。
回答で注意するポイントは、上司との面談で答えたことと同じように答えることです。
違うことを回答してしまうと、前回と話が違うことに対して上司に突っ込まれるので気をつけました。
4.部長と面談
退職にあたり、上司承認が必要なため、部長との面談の機会があります。
直属の上司から事前に話が伝わっているので、引き止められることはありませんでした。
今後も同じようなことを防ぐため、何が不満だったのかを確認されました。
会社のルールで退職手続きの書類に部長が記入する項目がある為、書類作成の為の面談のようなものでした。
退職時に上位との面談が必要かは会社によって違いがあります。
5.退職願いと退職面談シートを作成
会社を退職するための手続きとして、所定のフォーマットの退職願いと退職面談シートを人事部へ提出する必要がありました。
退職届には退職理由の記入欄がありますが『一身上の都合』で問題ありません。
6.人事と面談+保険代理店との面談
退職願いが人事に届いてから人事との面談がありました。
人事の面談は引き留めの為ではなく、退職手続きの為の面談でした。
退職日は既に決まっているため、退職前に渡すものと、退職後に渡される書類についての説明でした。
追加で、会社の団体保険に加入していたため、退職後の手続きについても併せて説明がありました。
7.業務の引き継ぎ
退職日も決まったため、退職後に職場に迷惑が掛からないよう引き継ぎをします。
不足しているところがあるかもしれませんが、完璧な引き継ぎをしようとしても現実は難しいです。
可能な限り、自分が退職後に職場の仲間が困らないように配慮しましょう。
8.親しい人に個別で退職のあいさつ
親しい人へお世話になった挨拶をします。
必須ではありませんので、お礼を言いたい人がいればしっかり挨拶をしましょう。
仕事だけの関係で、退職前にわざわざ挨拶したくない場合は無理に挨拶に出向く必要はないかと思います。
但し、職場を辞めてもプライベートで会う可能性がある人がいる場合は、後腐れがないように挨拶しておくのをオススメします。
9.退職日に部全体への退職のあいさつ
最終出社日に部内全体へのあいさつがありました。
入社後にどのような仕事をしてきて、どのようなことを学べたかを簡単に話しました。
全員に対してお礼を言う場だと思いますので、最後は『ありがとうございました』で締めれば長々と挨拶しなくても良いと思っています。
人前で話すのが緊張する人は何を言うかをしっかり覚えておいた方が良いでしょう。
退職者側にとっては緊張する場面ですが、見送る立場の人はあまり真剣に聞いていないと思いますので、そんなに難しい挨拶は不要です。
10.お世話になった人へあいさつメールの送信
退職のあいさつメールの必須ではありません。
最後に送信して退職するため、返信を見ることもないので深く考えすぎなくても大丈夫です。
お世話になったと思う人に対してBCCでメールを送付するのをオススメします。
宛先が見えても問題ありませんが、BCCで宛先が見えないようになっていた方が面倒事が避けられると思います。
ネットで例文を調べると、例文が出てきますのでコピペでOKです。
お世話になった人に直接お礼を言えなかった場合は個別でメールを送っても良いと思います。
11.社員証と保険証を社内便で人事に送付
最終出社日に社内便で保健証と社員証を送付しました。
手渡しする場合もあるかもしれませんが、私の場合は社内便封筒に入れて社内便BOXに投函するだけでした。
返却するだけですが、忘れてしまうと後で郵送することになります。
返し忘れがないように注意しましょう。
12.退職
晴れて退職です。
退職日を迎えると案外サッパリ会社って辞めれるんだなぁと実感します。
退職で苦労するのは最初の引き止めだけですので、なんとか引き留めをクリアしていきましょう。
まとめ
率直な感想は大企業だから簡単に辞めれるわけではなかったことには驚きました。
しかし、引き留めがめんどうに感じるかどうかは上司の人間性に関わるので、企業規模は関係無いのも事実です。
退職は上司の人事考課に悪影響を与えるため、自分の評価を下げないために強引に引き留めようとするケースもあります。
退職の手順や準備書類の有無も企業ごとに異なりますが、退職の第一歩は上司に退職を伝えることから始まるのは変わりありません。
直近で退職を考えている人は是非とも参考にしていただければと思います。
直近ではないけど退職を検討している人は転職活動を始めてみましょう。
退職したいと考えていても、転職先が決まらないまま退職するのはリスクがあります。
転職活動をどうやって進めれば悩んでいる日は下記の記事を参考にしてみてください。
これから転職活動をする人へ転職ロードマップを紹介【これを読めば転職までの手順が完全に理解出来ます】